【銘柄探訪】徳琪医薬:XPO1阻害薬の新薬承認を取得-中国で初

上海本拠の徳琪医薬(Antengene、6996:HK)は2021年12月17日、新しい作用機序を持つ抗がん剤「ATG-010」(セリネクサー、selinexor、商品名:XPOVIO)について、中国国家食品薬品監督管理局から新薬販売承認を取得したと発表した。 

XPO1阻害薬は、がんを抑制する因子や細胞増殖を制御する因子(いわばがん細胞の増殖を抑えるブレーキ役)を核外に輸送してしまう「XPO1」というたんぱく質の動きを阻害することで、がん細胞の増殖を防ぎ、アポトーシス(細胞自死)を誘導するとされている。 

米国ではセリネクサーを創製したカリオファームセラピューティック(Karyopharm)が2019年7月に再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得、その後も適応を拡大している。中国においてはATG-010が初のXPO1阻害薬となる見通し。 

中国医療医薬情報「Quan」による分析 

徳琪医薬にとって最初の新薬承認取得品目となったATG-010。難治性の骨髄腫の治療の選択肢を広げる新薬となることが期待されますね。セリネクサーの日本での開発は小野薬品工業が担っておりました(第1相臨床試験)が、戦略上の理由により、2020年5月の決算発表時の資料で権利を米カリオファームに返還していたことが公表されております。XPO1阻害薬の日本での開発動向を含め、今後の展開を注視して参ります。 

銘柄探訪

Posted by Hs