【金斯瑞生物】1-6月期EPSは▲4.61セント
中国江蘇省南京市本拠の金斯瑞生物科技(Genscript;01548.HK)が2021年8月23日に公表した1-6月期決算によると、1株あたり利益(EPS)は4.61セント(米国)の赤字となった。主力のライフサイエンスサービス事業の伸長により売上高は38%増加したものの、人民元安や高採算だった新型コロナウイルス関連製品群の需要一巡で粗利益率が低下したことが響いた。
ライフサイエンスサービス事業の大幅増収の背景は、顧客先の抗体医薬品やバイオ医薬品(タンパク質製剤)の開発が活況を呈していたこと。同社のプラスミドやウイルスベクターの受注が伸びた。
>>中国医療医薬情報「Quan」による分析
会社側は今回の営業赤字の背景について、プラスミドやウイルスベクターの作製を加速するための新プラットフォームの構築を挙げている。同社の生産能力向上と顧客先の研究開発加速がきちんとリンクするのか注意深く見守っていきたい。金斯瑞生物が米ヤンセン社に導出したCAR-T細胞療法「シルタセル」は、欧州医薬品庁(EMA)専門部会の加速評価制度を受けられることが決まったと2021年5月に発表されており、今後の収益貢献が一段と期待される。