【復星医薬】1-6月期EPSは前年同期比45%増の0.97元
上海市本拠の置く上海復星医薬(Fosun Pharma; 600196.SH, 02196.HK)が2021年8月24日に公表した1-6月期決算によると、1株あたり利益(EPS)は前年同期比45%増の0.97元となった。新製品の寄与などで大幅な増収となったことが功を奏した。
中国では最初のバイオシミラーとなった非ホジキンリンパ腫治療薬「漢利康(リツキシマブ)」が立ち上がり好調となったほか、2020年下半期発売の「漢曲優(トラスツズマブ)」、血小板減少症治療薬「蘇可欣(アバトロンボパグマレイン酸塩)」も伸びた。新型コロナウイルス感染症に対するmRNAワクチンは香港やマカオで政府の予防接種プログラムに組み込まれ5億元(約85億円)の売り上げを示した。上海復星医薬は独ビオンテック・米ファイザーのmRNAワクチンを中国・香港・マカオで独占的に販売するライセンスを有している。今上半期については中国本土での同ワクチンの販売は当局から認められていない。
>>中国医療医薬情報「Quan」による分析
mRNAワクチンは中国本土でフェーズ2実施中。同ワクチンの中国本土での承認は米中関係の変容等、国際政治上の駆け引きの材料となりそうだ。米カイト・ファーマから導入したCAR-T細胞療法薬「イエスカルタ」が2021年6月に新薬製造承認を取得、カイトと復星の合弁会社が中国での製造を行う。がん治療の選択肢拡大によって患者貢献の柱となっていく可能性が高い。