【君実生物医薬】1-6月期は黒字転換、EPSは0.016元

2021年12月5日

上海市に本拠を置く上海君実生物医薬科技(Junshi Pharma;688180.SH)が2021年8月31日に公表した1-6月期決算によると、1株あたり利益(EPS)は0.01元の黒字となり、前年同期の0.76元の赤字から大きく改善した。ライセンス収入の拡大が功を奏した。

中国初のPD-1抗体治療薬となった「トリパリマブ」は、英アストラゼネカから導入した製品で、君実が中国開発を担当した。泌尿器科領域を皮切り(2018年12月発売)に、上咽頭がん等に適応拡大を進めており、既に中国全土約3000の病院、1500の専門薬局に納入済みだという。このほか新型コロナウイルスの中和抗体「JS016」については、「バニビズマブ」との二重抗体療法が米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を2021年2月に取得、世界12の国・地域での緊急使用が認められている。

>>中国医療医薬情報「Quan」による分析

今後、収穫期入りを迎えるPD-1抗体治療薬「トリパリマブ」の適応拡大が従前の会社計画から若干遅れている点が気がかり。非小細胞肺がん(NSCLC)、食道扁平上皮がん(ESCC)等の中国においても患者数の多い疾患に対して先行薬との差別化が可能か注目していきたい。

君実生物

Posted by Hs